鍵盤修理(ニューヨークスタインウェイ)②
今回以来のきた鍵盤はとても良くない状態でした💦
度重なる修理や整備で、鍵盤の側面が削られて幅がバラバラ!!
ピアノは弾きこまれていくと側面がピアニストの爪で削れて、へこんでいくのです
それを直そうと削っていくとだんだんと鍵盤が細くなっていきます。
今回の鍵盤は特にそれがひどく、また木自体もボロボロの状態だったので修理の方針としては
・鍵盤幅の調整
・補強
として、側面に薄い木を貼り修理をしていくこととしました。
鍵盤の間隔がバラバラ
こうなると弾きにくいだけではなく、整調を行う際の基準が取りにくくなります。
これは、上面のアクリルを剥がしたところ。本来は象牙だったと思いますが、いつかの段階でアクリルに変更されたのでしょう。
ブッシングホールの上に貼ってある木がボロボロだったので貼り直しました。
木口にもバラツキがあったので長さを合わせるように木を貼って調整しています。
木を圧着しています!これがなかなか大変でめちゃ時間がかかります💦
鍵盤 88本 × 左右2面 =172回繰り返す加圧作業・・・
木を貼る前に側面の平行面を出す加工も大変でした。
木を貼り終えたところ
これから削り合わせをしていきますが。鍵盤の幅に合わせて微妙に木の幅を変えながら接着して加工していきました。
ようやく加工完了!!
上面にも木を貼りました。接着剤はエポキシ系
鍵盤の幅がそろって美しくなりました♬
ここまで来るのに一か月くらいから・・・大変!
これでやっと上面のアクリルや木口が貼っていけます。