アートピアノ ブログ~art piano’s blog~

ピアノ修理会社の3代目 ピアノ修理やオルガン修理の様子をお伝えします。

ヤマハ オルガン 5号 11個ストップ 「黒帯」 ③

少しずつ冬の装いに変わり、寒暖の差が激しくなってまいりましたがお体お変わりないでしょうか。

さて、オルガンの修理の少しずつ進んでまいりました。

 

先週は取り組んでおりました”空気袋”のラバークロス貼替を行い、完了しました!

また、外装の修復と塗装も開始しております。

f:id:artpiano:20210217231207j:plain

のラバークロスは”にかわ”で接着されております。にかわは経年劣化で次第に接着力がなくなっていきますが、このオルガンはまだしっかり接着されていました。ラバークロスを剥がして(アイロンで温めるとにかわが緩くなります)、木についている元のニカワをしっかり落としていきます。

 

f:id:artpiano:20210217231229j:plainf:id:artpiano:20210217230942j:plainf:id:artpiano:20210217231218j:plain

f:id:artpiano:20210217230953j:plain

ノミで丁寧に落とします!

f:id:artpiano:20210217231029j:plain

空気袋には写真のような”弁”が付いております。
空気袋は小袋と大袋があり、足踏みすると小袋が縮んで空気を押し出します。
小袋と大袋は繋がっており、小袋で空気が抜かれると、繋がっている大袋の空気も抜かれていきます。抜けた空気がもとに戻らないようにするのがこの”弁”です。
ちょうど、人間の心臓に例えると、送られた血液が逆流しないように便が付いておりますが。空気袋についている羊の川で出来ている弁も同じ役割です。
まさに、”オルガン(臓器)”ですねf:id:artpiano:20210217231007j:plain

f:id:artpiano:20210217231041j:plain

弁は古くなっていたので、新しい素材で作成しました。素材は山羊皮です。

 

f:id:artpiano:20210217230920j:plain

ラバークロスの裏には厚紙が貼ってあり空気袋の動きをサポートしています。

 

f:id:artpiano:20210217231052j:plain

 

f:id:artpiano:20210217231116j:plain

ラバークロスを貼っていきます。

f:id:artpiano:20210217231126j:plain

f:id:artpiano:20210217231138j:plain

f:id:artpiano:20210217231146j:plain

f:id:artpiano:20210217231156j:plain

空気袋が復活しました!空気の漏れもなさそうです。